伊江島タッチューでお手軽登山

離島・伊江島はこんなところ

沖縄本島からほど近く、本部半島の西海上5kmに浮かぶ島が伊江島です。
島の総面積は、22.77km²とかなり小さな島ですが、沖縄本島からでもよく見える、島の東部に三角形に尖った山が目印となります。

産業の中心は、水産業と農業・畜産業が中心で、伊江島の特産物としては、ピーナッツや黒糖・じーまみ甘納豆・イエソーダ・伊江島アイスクリーム・島ラッキョウ・イエラムサンタマリアなどがあります。
イエラムサンタマリアは、サトウキビの搾汁液から作られる、希少な国産アグリコールラム酒で、芳純な味わいと香りを楽しむことができます。

伊江島タッチューとは ?

沖縄は明治維新前まで、琉球王朝があったことをご存じの方も多いのではないでしょうか。
第二次世界大戦後は、アメリカ軍の接収地域となり、1972年の領土返還まで沖縄は外国としての扱いで、入国するにはパスポートが必要でした。
独自の文化のあった沖縄は、言葉もかなり難しく、沖縄の方言を初見で理解できる方はいないはずです。

タッチューも沖縄独自の方言で、島言葉として使用されています。
これは、先端がとがったものを表すもので、伊江島タッチューとは、伊江島の山を指しているものです。
伊江島の山といっても、標高はそれほどでもなく、標高172mの城山(ぐすくやま)で島外の方たちは親しみを込めて、伊江島タッチューと呼んでいます。

お手軽登山で291段の階段を上る

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、沖縄の最高峰は石垣島にある「ウムトゥダギ」で、その標高は525.5mとされています。
本土でも、1000m以上の山々はごく当たり前にみられますが、沖縄にはあまり高い山は見られません。

こう聞くと、伊江島タッチューの標高が172mと聞き、なんだ大したことないな、と思われる方も多いかと思いますが、実際に上って見るとその大変さがお分かりいただけます。
伊江島タッチューには、291段の階段があり、石段で整備されています。
両サイドには、安全策としてロープが張られていますが、一気に登っていくには想像以上のつらさがあります。

伊江島全体を見渡せる

苦労して登っただけに、伊江島タッチューの景観はかなり見事です。
島内最高峰の山とあって、伊江島全体を見渡せるほか、本土や海に面する地平線など、かなり景色の良い景観スポットです。
実は、この伊江島タッチューですが、古い岩盤が新しい岩盤に潜りこむ中で、一部が剥がれて新しい岩盤の上に乗る、世界でも珍しい現象がみられる場所です。

地学的には、オフスクレープ現象と呼ばれるものですが、世界でここ伊江島でしか見ることができない貴重な場所だったのです。
伊江島タッチュー登山の際には、ビーチサンダルなどは控えて、水分を十分に補給して挑戦しましょう。